2014年7月3日木曜日

縦書為替印‐為替取扱所 概説

今日は、梅雨の終い近くの雨です。

昨日で支局もさらけ出し終わって、いよいよ為替取扱所・郵便受取所の部となります。

昨日までの感想ですが、心に悶々と抱えていたものがすっきりしました。
こんな未完のリーフでも、公開してみると何故か気が晴れます。

切手展でかしこまって一分の隙なくリーフを拵えて展示し、謹んで拝見してというルール以外の方法も 「ありじゃん」 - という感想です。

御覧いただく方(そんなに大勢様とは考えていませんが…)には雑なリーフ作りでやや御迷惑かもしれませんが、誤りや欠点は大いに突っ込んでいただいて私の今後の肥やしにしようとする試みですので、盛大にコメントをいただけますと大変にありがたいです。

さて、為替取扱所のことですが、こんなルール外の機関を拵えなければならないほどの焦眉の課題だったのか疑問でした。
逓信省年報には「局や支局だけでは処理しきれないので」為替取扱所の設置は名案だった―みたいなことが誇らしげに書かれています。

数字を見てみると、為替取扱所設置の前年度=明治22年度は東京監督区の44局・支局で732千件の為替の受払を扱ったとしています。


さて、1時間当たり何件扱ったのか計算してみました。
パソコンのハードコピーそのままの画像ですが、御覧ください。


明治22年度のカレンダーを拵えて局・支局の為替の毎日の営業時刻と時間数とを算出しています。

御存じのとおり、明治22919日に為替窓口の営業時刻が定められています。
その日以前については「夏季営業時間」の定めはあったようですが、詳細不明です。
少なくとも営業の実態については、公達と同じであると仮定して計算しました。

答えは、1,715時間です。
すると東京監督区内の局・支局の平均は、1時間当たり9.7件となります。
全国平均は、1時間当たり2.2件です。

これは平均ですので、これより忙しい支局も暇な支局もあったはずです。
忙しい支局は、10分当たり複数人の来客 ― 「行列のできる」為替窓口だったと想像できます。
時間外営業も相当あったはずです。

しかし、金沢の片町でも本当に必要だったのでしょうか。
後日御覧いただく片町の消印は磨滅していません。丁寧に扱うだけの余裕時間があったのではと思いたくなります。
私が現役のときに「中央(=政府)は東京しか見ていない」という声を先輩から聞かされたことがあります。

東京市内支局の毎日の悲鳴を聞いて迅速に対策をとったのはとても良いこととは思いますが、地方都市も同じと考えたのでしょうか。

こういう新たな仕事を計画するときは、普通各監督区の一等郵便電信局に通知を出して、為替取扱所設置の候補を内申させます。
「お前の内申どおりしてやったから、責任は取れよ」みたいな決め方です。

いわゆるボトムアップではありますが、地方によっては、
「せっかく言ってきたのだから、特に必要とは思わんが中央の機嫌を損なわんように一つ二つは内申しておくか」
的な捉え方をするところもあります。(平成の今でもあります ― 地方なんてそんなもんです)

まあ、必ずしもこんな風ではなかったかも知れません。
また、ことほど左様に常に悪意に解する必要もないと思います。
しかし、ときにはこのようなこともあり得たし、あったはずと考えた方がよく理解できるのが中央の木端役人の考える「政策」というものです。

今日は、愚痴だけでご勘弁ください。
明日から、東京市内の為替取扱所を御覧いただきます。


こんなシチメンドクセェ難しい話はともかく、15日が「新年宴会」という祝日になっているのは、とてもとても気に入りました。

祝日序でに、再来年から設置される「山の日」 ― 私の誕生日祝いで二日酔いになった時のために設けていただいたのでしょうか。

毎日が祝日と日曜ですよって、お気づかい御無用でっせ。

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