2015年8月20日木曜日

丸二型日付印 ‐ 大阪郵便電信局/大阪中央郵便局/大阪郵便局 (3)   ― 日露戦争負傷兵救済葉書

前回の大層な議論を続けるなら、今日御覧いただくエンタもただの外郵到着印に過ぎません。
ただの到着印として扱うなら、わざわざ1リーフを割くほどのものではありません。

さらに、貴重な葉書であるがゆえにこんなところに貼るのは場違いとも思っています。

左様思いながらも敢えて丸二のリーフに貼っているのは、実は一昨年Delcampeで訳が分からないままに「珍しい葉書の着印」として$25.00で落とした代物だからです。

後で調べると、ロシア赤十字が日本の露軍俘虜の扱いに謝するため発行したものとか。

「関西郵趣」に連載された「日露戦争の俘虜郵便と、最も大きかった大阪地区の俘虜収容所」という大西二郎さんの労作を一冊にまとめた「日露戦争と大阪の俘虜収容所」から1ページ抜粋します。




























































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青島の日独戦で収容した俘虜将兵は5千人ですが、日露戦争ではその14倍の将兵を国内に受け入れています。

葉書は、ロシア赤十字が知日派のベルギーを通じて発売したものです。
この論文に書かれているように俘虜の扱いに「感激」したのか、何か術数があったのか不明ですが、素直に謝意の表明とみて良いと思います。

ことほどさように、個人と個人との関係では残虐な大量殺戮など生ずるものではありません。
国家権力や偏狭なナショナリズムが介在することによってのみ「戦争」を生み出すのでしょう。

国家として感激したのであれば第二次大戦後のシベリヤ抑留は無かったはずです。スターリン一人が悪者であったわけでもなく、なべて個人を超越した国家”権力”のなせる業 ―。

俘虜への対応は「美談」ではありますが、戦争を美化する意思は毛頭ありませんので念のため。

先に「貴重な葉書」と書きましたが、ネット・オークションではあまり見かけないものの、今春にはジャパンさんがフロアで扱っておられました。
ただ、説明に困ったのか説明書きは「恤兵葉書」 ― 広義には正しいと思いますが…。





































































【自己評】場違いなリーフながら、これはこれで良いのかも。
エンタでの道草道楽はこの辺にして、次回は大阪局の丸二の最終のつもりです。

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