自宅近くの特養に入所している母親の入院があったり、…
毎日が日曜日の生活でも、身の回りでいろんな事件が起こります。
ましてや世界では。
今日はイギリスでは、スコットランドの独立を問う投票日。
いずれの立場にも与するものではありませんが、世界資本主義と呼ばれる現代、
ある意味では理想とされるコンパクトにまとまった政治や市場経済といったものは、流れに逆流することで、歴史の後戻りは難しいと…。
酒の世界でいえば、国内を制圧している伏見の超ジャイアントメーカーの酒ほどまずいものは無いと心得ています。
舌に乗せてざらつくような化学製品みたいな酒より、地方の小醸造業の製品の方がはるかにうまいものです。
一部のハイランド/ローランド・スコッチにだけ感じられる、あの「舌に乗せるとトロッとする」感触は全く個性を無くした某清酒メーカーの製品とは無縁のものです。
願わくは、そのような優れた酒の文化は残らんことを。
グレート・ブリテンとなって以降、イギリスが世界の王者でした。
そのイギリスに戦いを挑んだ独墺は負けました。
本日は、歴史の皮肉みたいなリーフです。
前回の久留米に続いて、本国から俘虜宛に届いた絵葉書。
戦争の中心となった北欧はユトランド沖で、主力艦隊同士による決戦がありました。
1916年(大正5年)5月末の出来事です。
結果はドイツ大洋艦隊の勝利です。
絵葉書に描かれた巡洋戦艦ザイドリッツは自ら大破しながらもクイーン・メアリを撃沈しました。
ドイツ国内はこの勝利に沸き立っています。
しかし、残った海軍力はなおもイギリスが遥かに優勢でした。
結局は、1918年の休戦協定を受けて、ザイドリッツは英海軍の基地であるスカパ・フローに回航されます。
そのときに(おそらく初めて)絵葉書の光景が実現しました。
ザイドリッツが旗艦となって、ヒンデンブルク号やモルトケ号を引き連れて大海原を進んだのです。
こう書くと、日本の第二次大戦の切手図案を思いだします。
バタアン半島を進撃する戦車を描く「大東亞戰爭第一周秊記念」切手です。
御存じの方も多いと存じます。2+1錢の図案中央、左の日章旗が半旗になっています。
少年のころに読んだ切手の本、北上健さんの「切手の秘密」で知りました。
「このときから、日本は負ける運命にあった」とか…。
リーフの葉書は、あまりのクセ字と私の不勉強のためとで殆ど読めません。
何が書いてあるんでしょう。誰からかも判りません。
"Mein lieb Max!"で始まっていますから奥さんでしょうか。
発信日は前述のユトランド沖海戦から17日後です。
「あなた、喜んで!ドイツが勝ちそうよ。」でしょうか?
収容所での検閲が通らないでしょう。というより、検閲官はこの読みづらい字を判読したのでしょうか。
それとも、毎日の余りの検閲量の多さに「ええい、面倒だ」と印判を叩いたのでしょうか。
御参考までに文面部分を揚げておきます。
どなたかドイツ語にお強い方、判読いただけると大変ありがたいです。
名古屋収容所は俘虜約500人を擁する中規模の収容所ですが、3,500冊になんなんとする蔵書量を誇る図書室があったそうです。
司書も俘虜の下士官と兵卒の三名が担当。
さらに坂東同様、国内の新聞を翻訳したドイツ語の報道紙もあたっとか。
そのような環境の下では海戦の様子も俘虜たちに知れ渡っていたことでしょう。
まして葉書の名宛人は軍曹さんです。
葉書の図案は、なんとなく安っぽい感じがします。
戦意高揚のために軍の肩入れで作られたというより、海戦の勝利に乗じて粗製乱造した民間製と判断したほうがよさそうです。
同じような構図で、もっと粋なものをネットで拾いました。
1890年ころのものだそうです。私もどうせならこちらの色っぽいお姉さんの方が良かった。
リーフです。
先日のジャパンスタンプPA83の戦利品です。
【自己評】 ザイドリッツ号の型式を示すために右下の図を入れましたが、不要ですネ。
スカパ・フローへの回航写真だけの方がリーフが締まります。
このリーフから、書き込みに俘虜番号を入れることにしました。日本の俘虜情報局で作成した『獨逸及墺洪國俘虜名簿』が日独共通で基本史料として通用しているようです。
ただ、俘虜郵便絵葉書シリーズは次回がいつになるか全く分かりません。
私の現在の手持ちがこれで全部だからです。
いつでも入手できるものでもなく、それぞれが良いお値段でもありますが、一枚のはがきでこれだけ楽しめると十分に元は取れます。
26/09/2014追記
リーフに書き込んだ葉書表書きの模式図に"Feltpost"と書かれているのは"Feldpost"の誤記です。
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